交換日記/2

続くんですか？
続いてしまいましたね。


＊＊＊

―――からん、からん。

ドアベルの乾いた音に見送られながら店を出る。
すっかり日が落ちた。

あのあと幾つかやりとりをして今日も彼女と別れた。
ポケットに残る今日の手紙を指先で遊ばせながら帰路につく。これも日常。

そして、

「よ、今日も逢ったな」
「別に俺は遇いたくて遇ってる訳じゃないんだが」
「あああんそんなつれないこと言うなよ祝」
「煩い朋夜」
「冷たい！いつにもまして冷たい！そんなに『瑠璃の君』と今日は離れたくなかったのか？」
「…解ってるくせに聞くんじゃない」


晦朋夜。
こう呼ぶのも中々どうして抵抗があるが友人という奴だ。
よく言えば変わり者、悪く言えば変人。
家が神社でその神様に恋をしているとかしていないとか。
訳がわからない。

占いが得意というかお告げ？とやらをその神様に貰っているらしい。
よく勝手に人を占う。


「ねえ祝、今俺にすごく失礼なこと考えてねえ？」
「ほう、よくわかったな」
「悪い顔してたもん」
「もんって言うな気持ち悪い」
「今俺すごい傷付いた」
「そうか残念だったな馬鹿につける薬は無いそうだ」
「ちぇー…あ、そうそう本題だけどさ」


勝手に人を占う、がその分話が早くて助かるところもある。
たとえば、今とか。


「見合い、だっけか」
「ああ。だが断るつもりだ」
「あ、やっぱり」
「しかし母の手前会うだけは会おうと思う」
「おお、」
「その上で、きちんと俺はお慕いする人がいる、と伝えて断ろうと思う」
「祝くん格好良いわあ‥男前？っての？」
「やめろ気持ち悪い」
「二回も言われた俺の気持ち」
「知るか」